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同人詩誌ROKUROの活動報告など。
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葉の重力を知る
それに足を生やす
郷愁にハンマー
目の位置に目を置くとは限らない
直観以外に何を信じれば
よいのか
わかる日が来て
わからない日が来る
けれど


めに建つビルをラッピングするために
大きなテキスタイルをあなたと
両端 そして 四隅
あなたたちと
都庁を裁つ
見守られながら


み合わせの不調が
喰らうことへの真理を晒す
卓越した土曜日
が、スプーン一杯の
したたかを運ぶ



皿に憂鬱を盛る
最短の仕種で
昔聞いた
詩域
イタリアンサラダ
乗せた分身
カラフルなコーディネーター
ポイントを押さえる
欠伸のような濁り


紙背を香る
昂じる
は眉間に突き上げる
四畳半の余剰で
忘れられた詩が醸し
かいわれ大根が生える

背筋に走る獅子を煮込む
炭酸に猫を閉じ込める
低い声で河を泳ぐ
顔の隅に焚き付け
胸の谷間にスイーツ

うなる呼吸器
椅子の足がたゆみなく
地面に向き合う
サイレン、
艶めいた声を割く

消防車が進んだか
ケーキをスタイルで焼いたか
もっともそうそうとしている田螺が
紛れた酔いを使いこなせない
冬、色とりどりな異国な女の陰部の仕種

ハシゴ車にジンを注ぐ
割礼を焼く
紅葉にスパンキン
数多の手が真っ赤で
酋長にあわせる顔に
目が無い

立つときが来たら
手紙を送る
ほんとうの心臓をくれるなら
いつでも捧げる覚悟
星を
握る

五体の満足を金で
本能を肯定する
美しい獣、を
飼い慣らすための躾

海で暮らす
聖者が不倫を繰り返す
革のフリンジにピアニカの高鳴り
パラダイスに向かうには
取り付きにくいハイウェイ
氷河の様に頑ななルール

田園の方が星よりもあたたかい
楽園の方角
ほら吹もぺてん師も
後からついてくる
喉笛から雨乞い
金屏風に豊穣の滝壺

いつまでも愛だの恋だの言って
と 言う
実りを抱えて階段を滑り降りる
ドリフのみどりの堀へ
ようこそ

再会に逆さまに
共食いの日々から
抜け出すには
やはり宇宙に確かな一歩を踏み出す
それは思うよりも直感的で
訓練や鍛練を積めば積むほど
定石は感覚の繰り返しに宿る
歩き去った頃に気付き
魂は更に血を求める

先天性の理性に鞭
を、打って
汽車に新たなレールを掴ませ
酋長
の、頭をとって
首を垂れろ

連詩 200911,02

imoleon

たちばなま

うわの

 

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針山に埋もれてしまった針を
救う
縫い針には穴があるし
シルクピンには小さな頭がある
待ち針は標識のように
colorful
薬指に刺さる

明け方に
緩く流れた月が
固定された様に鷹を見つける
言葉をシルクで合わせる
流行り病に針を刺す

俺が刺繍針だった時
切り傷ばかり縫って
カラスに色を着せていた
瞳孔に虹の球体
ヒトは立体断裁されて
ヒトから逃れる

ココ・シャネルみたいに
裁ちバサミにリボンを通して
腰骨を魅せつけるように
背筋を伸ばして立つ
首から下げたハサミで
女たちを解放する

喪服の女が男に騎乗する
されど男達は待ち焦がれながら
種馬のようには振る舞わない
紳士という拘束服のために


そのニードルワークは
ジャンキー十年選手の様に
私の心に刺ささった
縫い合わされたジンベエ鮫
チョッキの下に振り袖
ジョッパーズを脱ぎ捨て
地平線を思いながら沐浴をする
タオル地のロングジャケットの修正で
ありったけの針を刺し
ありったけのボディーラインテープを引く
ボーダーによるボーダレス
億色の瞳のパッチワーク

軍服は味方を誤射しないために同様のものを
部下を殴った覚えがないというなら敵の軍服を着てみればいい
忘れた方角から撃たれる
前線の伝令
破棄された詩域
弾丸を補給
遥かなるサイン
色使いの激情
タクシーの助手席
分からず屋のヤンガー
褐色の女
荒い操縦の逃げ道
聖域にどくまむし
挑発する老婆
前衛の戦犯
ボンデージ髭だるま
Jazzと白いコカ・コーラ
フェイクファーさなぎ
サテンでピンクなアーミーキャミ
で、
イクよ!
バキュームをセット
花畑に抱かせて
とっておきのを聲を楽譜に挿れて!
魂とからだを
ひとつに!

そのニードルワークは
ジャンキーの庭で
私の心にトゲのように刺さった

■■■

 

たちばなまこと

那津

timoleon

 

            【連詩】 209,1030

 



 

 

紅茶も珈琲も果実のシロップも好きよ
駅ビルのカフェで待ち人を思いながら
琥珀の時を愛している
私の愛する人たちは
いつもシャイで いつも寂しがり屋で
とびきりやさしくて
ときどき
愛しすぎて静かになってしまうよ
今日も目が開いて
朝を見たから大丈夫

蒼い薄い風に寄りながら
満ちたり引いたり
此処は昔処刑場だった
今は公園になって
喫煙者がくたびれた停滞
緑地が都会を脅かせば
瓦礫となったビル跡に
抜け出した空があった
と、借りた猫みたいに
ゆらと立ち上がって
やらと砂地に背を擦りつけたくなる

太陽が蜃気楼する
深呼吸が脱皮する
秋風が風来の優しさを紡げば紡ぐほど
纏えば纏うほど
「停滞に優しさや ふわりとしたあれを 吹き込むのは誰? 」

瓦屋根の洋館からバイヤーが顔を出す
笑っていてください
あなたは嵐の中で振り向いて
蒼と白の花束に体をうずめたままで
風に渦巻くちぎれた花を 上着の意匠にして
「私を抱きしめる私で、ありたいと思っています。」

誰?
と振り向くと
地蔵菩薩
野球帽を目深にかぶり
ひび割れた唇
「忘れた頃に拝みにおいで」

政治を好きな人
希望を持つ人
あなたが育った観点でゆくゆくは大きな綱を引く事になる
信用する大国に黙って
他の思想と交わるが
つまりは空気を掻き混ぜて
成長する龍を見出だす
これが哲学だ
たぶん
あなたを待っている

待ち人を探している
微笑みながら涙ぐみ
時計を気にしながら ただ
文字盤の造形に見惚れているだけ
眩しい光を胸に飾り 席を立ち
龍の背に腰掛けて 本を開くよ
女の人を撫でるようにしなやかな
男の人の手はずるいくらい不器用で
やはりとても愛おしいから
全身全霊で参ってしまう

泣き笑い菩薩
政治家の敵
傍点を引きたいくらい
おかしな兄弟
珈琲ゼリーとミルクみたいに
お互いを称えて
僕は右足と左手両方好き

明には明で返し
大動脈の渋滞を諦める
野菜が体内にせっかく溶け込んで行き
マープルの様に
暗には暗で返した

壁一面がデザイン画
体から染み出してしまう戸惑い
カフェインを入れて立ち回る
どうしようかな
どうしようかな
フライムよ 後光に変われ!
愛を呼ぶよ
その水に刺繍を入れて
飲ませてあげる

迷いは歓びだ
溢れるカブチーノの泡に一滴の血

愛が詩なら
誰かが手に取る
愛が詩なら
言葉すらいらない
愛が詩なら
シュレッダーにかけたって隠せはしない

谷から頂に向かい
触れた速度で真空を進む
それ以外は完璧で
自然な体位を思い焦がす
コンクリにケチャップ
解凍の鮮血が喉の奥をくすぐる
僕の詩には愛がない
蜃気楼に亡命

 

たちばなまこと

timoleon

那津

           2009,10,29 【連詩】

 

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